2017年9月16日土曜日

白い無表情な女(実話)


それは実際にあったことなのかどうか分からない。夢の中でのことだろうか、それともこの世とあの世の狭間にある異次元の世界をかいま見たのであろうか。
中学1年生の頃であろうか。私は、弟と一緒に4畳半の部屋に寝ていた。隣の6畳の部屋には祖父母が寝ていたが、間の引き戸は建付けが悪かったのか、開いたままであった。ここは私の生家であるが、なぜか誰もいない部屋でも物音がするとか、妙な雰囲気があるとか、あちこちにある暗闇が怖いとかいうことがあった。家に大きな蛇が住んでいたので、すべてがその蛇のせいだと思っていた。

時間は分からない。何故か私は目を覚ました。それとも目を覚ましたと思っただけで夢の中にいたのかも知れない。私たちが寝ている部屋と祖父母が寝ている部屋の間で、白いものが動いた。人間のように見えた。玄関も勝手口も鍵をかけているから人間は入れない。私が目を凝らして見ようとした時に、白いものがゆっくり振り向いた。白いのは着物だった。目が合った。年寄の女に見えたが不思議なことに私に見られても、無表情のままであった。顔は着物に溶け込むように白い色をしていた。どの位の時間が経ったのかわからない。多分1秒も経っていないのだろう。
そして、女は消えた。煙のようにではない、瞬きをしたらいなくなったという感じである 。

もう何十年も前の話である。その後祖父は痴呆が進んで私が大学受験する1週間前に亡くなった。今で言う認知症であるが、当時は認知症という言葉も、その前に使われていた痴呆症という言葉もなかった。私は運よく大学に合格し東京へ行き、大学を出た後、家へ戻ってきたが、結婚して家を出た。実家は、阪神淡路大震災で全壊し、新築の家になった。私は比叡山で霊障に遭って以来、あちこちで霊障でひどい目に遭うようになった。私の霊障は頭痛・嘔吐・耳鳴りなどである。

もう、実家に行ってみても何も感じない。物置になっている2階へ上がっても真っ暗闇の中でも何も感じない。もうこの家には何もいない。 新築になったのだから当然かとも思うのだが・・・・
あれは何だったのだろうか?いまだに謎のままである 。


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