2017年5月1日月曜日

公的年金の基礎

今回は老齢年金について書きます。年金改革法が昨年12月に成立しましたので、その説明を書く前に老齢年金について基本的なことを知っておきましょう。
年金には、老齢・障害・遺族の3種類ありますが、今回は、年金と書けば老齢年金のことです。


公的年金には、国民年金(基礎年金)・厚生年金・共済年金があります。

国民年金は法律で20歳から60歳まで40年間、保険利用を納付しなければなりません。給付を受けるときは基礎年金という名称になり、65歳から支給されます。
国民年金保険料は40年間納付しなければなりませんが、免除などの規定があります。これは罠です。免除すると後で納付しない限り、免除期間は半分しか基礎年金は支給されません。これは税金から基礎年金の5割を出しているからです。これも罠です。税金は国民の義務で払っていますから、全く国民年金保険料を支払わなくても、半額は支払うのが合理的だと思うのですが・・・
基礎年金の繰上げ・繰り下げ支給規定もわかりにくくて罠の一つです。基礎年金の繰上げ支給(60歳~64歳)を受けると、支給額が減額されますが、65歳になっても増えることはありません。繰下げ支給(66歳~70歳)を行うと支給額が増額されますが、繰下げ手続きが必要です。

厚生年金は会社などに働いている人が加入していますが、厚生年金を支払っている間は、国民年金の保険料は必要ありません。扶養されている妻の国民年金保険料も必要ありません。厚生年金は特別支給というのがあって、65歳以前でも一部支給され、65歳から全額支給されます。これも罠です。年金支給の開始年齢は、58歳・60歳・65歳と伸ばされています。

国民年金・厚生年金は昭和36年から始まりました。さて、この時の状況を想像して下さい。自分はもうすぐ定年だから、保険料を払っても年金はもらえない。という人は多いですよね。大体がその時に20歳以下の人以外は、全額の年金はもらえないこととなりますね。文句が出ますね。「そんなん加入できるか!」となりますね。そうなったらどうしますか?支給金額を保証しました。一生分です。つまり年金というのは最初は赤字だったのです。

日本の国債残高は1000兆円を超えています。その原因の一つが年金財政と言われていますが、これも罠です。公的年金の積立金は100兆円を超えています。大まかに言えば公的年金は、年間3~5兆円不足しています。ということは、年金だけを考えた場合には赤字ではなく、黒字の残高分を食い潰している段階なのです。単純にこのまま残高を食い潰せば、20年~30年で年金の財源は枯渇します。
しかし、この100兆円は運用して増やしています。年金は単年度では数兆円の赤字ですが、積立金を考えると決して赤字ではないのです。

これを理解して頂き、年金改革法の説明をしていきます。




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