魔界都市・京都

世界遺産の京都である。世界一の魔界都市でもある。
京都は「鳴くよウグイス平安京」と覚えたように794年から約1200年都のあった都市である。有名な話であるが、平安京は計画都市であるが、安倍晴明が結界を作って外敵というよりはこの世のものでないものから都を守るために、結界を作った都市である。晴明神社を中心して、上賀茂神社、金閣寺、松尾大社、八坂神社、銀閣寺により五芒星を作ったと言われている。

さらに京都の北側は妖怪の巣であったが、この防御として、愛宕神社、貴船神社、比叡山延暦寺を守り寺社仏閣として配置した。主に鬼と戦ったのは比叡山延暦寺根本中堂本尊の
「天台薬師」の眷属十二神将であった。これは並の魔物では突破できない強固な防衛線であった。仮にこれをすり抜けても上賀茂神社の眷属十二神将が内側を守っているのだ。しかも上賀茂神社の眷属十二神将を使うのは安倍晴明である。この他にも寺社の配置を考えあちこちに結界があったとされている。

この結界のため、多くの魔物が京都を狙ったが、結界を突破できずに三途の川の彼方へと消えていった。たまに突破できた魔物も魔力を使い果たし、高々人間どもの刃の露と消える運命であった。妖怪で最上級の力を持つ大江山の鵺や羅生門の鬼もこのように倒されてしまう、魔物にとって恐ろしい街であったのだ。

織田信長が延暦寺の焼き討ちを行ったのは1571年のことである。「以後ない延暦寺の焼き討ち」と覚えたと思う。世界遺産を焼き討ちした信長は女子供も皆殺しにしたという。寺に女がいたというのも不思議なものだが、当時の延暦寺はかなり乱れていたらしい。しかし信長の焼き討ちによって、こともあろうに最強の敵の「天台薬師」の眷属十二神将たちがいなくなったので、魔物たちは京の都に侵入する。1573年に信長が足利義昭を京都から追い出すと、本格的な戦乱の世になっていくのである。

明治維新で京都から東京へと遷都して、京都は魔物の巣ではなくなってしまったが、その欠片が未だに残る。京都に行った時には霊感を働かせて魔物の痕跡を見つけてみよう。

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