東北地方の話である。しかも青森県であるから私もそれなりに知っているし、2回ほど行ったこともある。別に泳ぎに行ったわけではない。水泳はとりたてて得意ではないが、遅いだけで別に苦手でもない。しかし宇曽利山湖では泳ぎたくない。亡霊に足を引っ張られるのが間違いなしである。
宇曽利山湖は下北半島の中央部にある。宇曽利湖ともいうが、別にどちらでもいい。下北半島の中央部は人がほとんどいないようで、猿の数の方が多いと聞いたことがある。そんなわけで、関西の人は知らなくても別に困らない。
下北半島の中心には、妖怪や霊の巣となっている恐山菩提寺がある。私はここも2回行ったことがある。宇曽利山とはもともとここら一帯を指す言葉だったらしく、恐山と同じ意味だった。もちろん宇曽利山湖も恐山の一部である。いつの頃からか恐山の名前の方が有名になってしまい、宇曽利山は湖だけの名になったが、これも山が取られて宇曽利湖というようになってきた。恐ろしいことである。
恐山には地獄があり三途の川があり賽の河原がある。恐山の一部である宇曽利山湖には極楽浜がある。賽の河原には水子の霊がいる。子供の好きそうなおもちゃや風車があちこちに飾ってある。線香の匂いがする。思ったより暗くないのは空が明るいからだろう。水子は両親を苦しめた罪で賽の河原に留められ、地獄にも極楽にもいけず、父母を偲んで石を積んでいる。やがて鬼がやってきて積み石を壊す。水子の霊を慰めるのは地蔵菩薩である。恐山菩提寺は地蔵菩薩をご本尊としている。
さて、宇曽利山湖はPH3.5程度の酸性湖である。生物は川が流れ込む中性に近い周辺にウグイが一種だけ生息してている。PH3.5はだいたい希硝酸や希塩酸に相当する。生物はかなりみづらい。
恐山に行ったついでに寄ってみよう。というほど、離れている訳ではないが・・・・。恐山の入場料は500円ぐらいである。