2017年7月8日土曜日

謎の惑星X・二ビルが地球を滅ぼす?


「今年10月、ニビルが南極に急接近して人類滅亡する」 ブラジル上院議員が公式発言! “NASAからの信頼できる情報”をリーク! という記事を見つけた。そうだった。以前にそんなことを言われていた時があったなあ。でも、確かNASAがその存在自体を全否定して決着を見たのではなかったかなぁ?向こう千年ぐらいはそんなことはないと言っていたような気がするのだが・・・。
この惑星X=二ビルは2012年、2015年、2016年、2017年と毎年のように、地球に衝突すると噂されている不良惑星である。言い出しっぺのデイヴィッド・ミードという専門家は知らなかったので検索してみたが、音楽家しか見つけられなかった。NASAのひとなのかなぁ。

根拠のひとつとして、南半球の天体観測網が北半球よりまばらであるという。その通りである。陸地が少ないのだから当然である。確かハワイ島のマウナケアに10以上の世界最高級の天文台があったと思うが・・・。日本の国立天文台もある。ハワイは北緯19度ぐらいなので南半球はあらかたカバーできる。あと、ヨーロッパ南天天文台(チリ)、マウントジョン天文台(ニュージーランド)、亜熱帯天文台・南半球観測所(オーストラリア)、シドニー天文台(オーストラリア)など結構多い。アフリカにはないと思っていたが、調べてみると南アフリカに大きなのがあるようだ。観測できないところはないが、見落としていると言われている。なのにもう肉眼でも見えるところまで近づいているともある。天文学者ってそんなに間抜けなのかなぁ。
上記は二ビルの軌道(点線)である。二つの太陽の周りを回るので軌道計算ができないと書いてある。そんなことはない。連星(2つの太陽)を回る惑星軌道の計算は確立されている。(連星については次のページで解説する)

さらにニビル(Planet Nine)は海王星(Neptune)のはるか外側を回っている。というよりは土星(Satun)軌道の内側に入っているものがないじゃないか!
だいたい、南極にぶつかると言いながら同一平面上を回っているじゃないか!

これが、写真で撮られた「ニビル」という星である。中央の赤い星がニビルである。美しい星である。まるでルビーの指輪のようである。
ニビル信奉者が崇めるこの写真は、いっかくじゅう座の星である。いっかくじゅう座新星2002という名前の変光星であり太陽から2万光年ほど離れている。2002年に新星爆発を起こしたが、以降の経緯が普通の新星爆発とは違うために注目された星である。元々目に見えないような暗い星だったが、一時は銀河系内で一番明るくなった。もちろん肉眼で見える。但し、いっかくじゅう座新星2002が地球に到達するのは、光速で動いても2万年後だから心配する必要はない。

さて、ニビルが10月に地球にぶつかるのなら、もうそろそろ重力の影響でいろんなことが起きるだろう。南極付近に行けば重力が少なくなって、軽く何十メートルもジャンプできるとか、海水が重力に引きずられて、赤道付近では潮干狩りがしやすくなるとか、気象の変化で砂漠に大雨が降って湖ができるとか。

しかし、多分その後は、地球の公転軌道や自転周期の変化、大気の流出、その前兆となる気象災害などが起こるだろうから、残念ながら地球滅亡までは見ることはできない。
10月まであと3か月しかない。地球滅亡なら死ぬのは仕方がない。何が起こるのかよく見てみたいものだ。
それとも、どこか他の星へ逃げようか?


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<参考:連星>
連星について言えば、2つの星があるだけではない。2つの太陽がお互いの重力場に存在することが必要である。2つの星が静止していれば万有引力によって衝突するので、お互いに相手の周囲を公転しなければならない。万有引力と回転の遠心力によってバランスをとることになる。2つの太陽が静止していると仮定した場合は、惑星の軌道は楕円か8の字になる。実際には8の字は条件が厳しく起こらないだろう。場合によっては双曲線軌道や放物線軌道も考えられるがこれは飛んで行ってしまうだけなので・・・。この辺りまでは、適当な条件さえ揃えて出題すれば、高校生でも解ける。
同じ重さの太陽が2つある場合は、重心を静止して考えれば、太陽は左のような動きを行う。こうなってくると、惑星の軌道計算は高校生ではちょっと難しい。実際は重力と遠心力の釣り合うところを探せばいいのだが・・・。

さて、この場合問題となるのは、惑星の影響ではなく2つの太陽の位置である。惑星と太陽との距離の変化が大きすぎるため、生物は住めない。

多くの場合は、連星は主星(大きい方)と伴星(小さい方)に分かれる。イメージとしては、水星も大陽だと思えばまあ間違いではない。水星が小さすぎる?そのような天体もある。水星の位置にブラックホールを持つ天体である。
ともかくも、連星みたいな天体は、恒星の数の1/4ぐらいあると言われている。ごく普通にあるものなのだ。

但し、太陽は連星ではなく、ニビルはもう一つの太陽の引力圏に捉えられずに、多分、放物線軌道で太陽系から脱出する。ニビルは数千年前に来たということなので、もはや、どこかの宇宙空間をさ迷っているのだろう。残念である。



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