その頃私は十和田湖から奥入瀬渓谷を下ったところにある、十和田温泉郷に住んでいた。仕事で3か月ほど旅館に居ただけなんだが。この旅館がすごい旅館で、ご飯が山ほど出てくる。いつも食べきれない。
「関西の人は少食だねえ」と言われる。
風呂は引き湯だが天然温泉。硫黄の結晶があちこちに付着して、情緒がある。温泉は少し濁っている。浴室だけ作りが粗く、女湯との間に隙間が多い。サービス満載である。隣がスキー場なのでスキー客用の旅館らしい。女が来ないというより男も来ない。私一人だけの日が多い。仕方がないから、さっさと寝てしまう。
さて、田代平である。旅館の人に聞くと、
「田代平?いいところですよ。でもものすごく行きにくいですよ。道は七戸からしかないですし。バスは日曜日に2本ほどあるだけだし。道も悪いですよ」
七戸は八甲田山の反対側である。とある日曜日に仕事を休みにして行って見ることにした。
日曜日は雨だった。私は三沢駅で借りたレンタカーで出掛けた。七戸というところから国道だったかどうか忘れたが、道の真ん中が雨水で深い溝になっている土道を走った。ほんとに日曜日だけとはいえ、バスが通るのかよと思ったが通るんだろうね。幸いにも仕事柄、山道の運転は慣れていたので、何事もなく田代平に着いたが、七戸からここまでの間、対向車が来なかったのが幸いである。
田代平は一件の家もなく、一面の草原(牧場)である。ものすご~く私好みのシチュエーションだ。私一人きりで他に車も来ない。緑の中に私一人。大声で叫びたくなるが、あまり車外には出られない。日曜日とは言え雨の日に、あんな悪路をここまで登ってくる人もそうはいないだろう。
現在の田代平の草原(牧場) |
その事件の中、遭難し、直立したまま仮死状態で発見された後藤房之助伍長の像が田代平にあるので見に行く。ちなみに後藤伍長は生還している。なぜか、死んだような印象で書かれているものもある。
田代平にある後藤伍長の像 |
こんな映画である。やたらと人が死ぬ。かなり長いので時間があれば見て下さい。画質も良くありません。悪しからず。
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